1. 特定技能の趣旨・目的
特定技能とは、深刻な人手不足の状況に対応するため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる特定技能外国人を受入れる制度です。2019年4月1日に施行されました。

2. 特定技能の種類(在留資格)について
特定技能1号と特定技能2号の2種類があり、特定技能1号終了者が検定試験に合格した場合、特定技能2号に進むことができます。
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特定技能1号 |
特定技能2号 |
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定義 |
特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事 |
特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事。行程指導、管理。 |
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在留期間 |
3年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新 通算上限5年 |
3年、2年、1年又は6か月ごとの更新 |
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技能水準 |
試験等で確認。 (技能実習2号を良好に修了した者は免除) |
試験等で確認 |
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日本語能力 |
試験(N4等)で確認 ※介護、自動車運送業(タクシー・バス)及び鉄道(運輸係員)分野は別途要件あり |
試験での確認なし (漁業及び外食業分野(N3)を除く。) |
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家族帯同 |
基本的に認められない |
要件を満たせば可能(配偶者、子) |
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支援計画策定 |
必要あり |
必要なし |
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受け入れ分野 |
16分野 |
11分野 |
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受け入れ人数 |
人数枠なし(介護、建設分野を除く) |
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3. 特定産業分野と従事する業務 令和7年11月1日
出所:出入国在留管理庁 資料

4. 受入れ機関とは
受入れ機関とは、特定技能外国人を受入れ雇用する企業・個人事業主のことです。
1号特定技能外国人に対し、「特定技能1号」の活動を安定的かつ円滑に行うことができるように、職業上、日常生活上または社会生活上の支援をしなければなりません。
1. 受入れ機関が外国人を受入れるための基準
① 外国人と締結する雇用契約が適切であること
・報酬額や労働時間などが日本人と同等以上など
・一時帰国を希望した場合、休暇を取得させるものとしていること
② 受入れ機関自体が適切であること
・1年以内に特定外国人と同種業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
・欠格事由に該当しないこと(5年以内に出入国・労働関係法令等違反が無いなど)
・保証金の徴収や違約金契約を締結していないこと
・報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
③ 外国人を支援する体制があること ※登録支援機関に支援を全部委託する場合は不要
・過去2年間に中長期在留者の受入または管理を適正におこなった実績があり、かつ
役職員の中から支援責任者及び支援担当者を選任していること(※)兼任可
・外国人が十分理解できる言語で支援を実施できる体制を有していること(※)
④ 外国人を支援する計画が適切であること。
2. 受入れ機関の義務
① 外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること。
② 外国人への支援を適切に実施すること ⇒支援については、登録支援機関に委託も可。
③ 出入国在留管理庁及び関係機関に各種届出を行うこと
※受入れ機関が届け出の不履行や虚偽の届出をした場合、指導罰則の対象となります。
3.協議会などへの加入
特定技能外国人を受入れる全ての受入れ機関は、特定産業分野ごとに分野所管省庁が
設置する協会の構成員になることが求められています。
分野によっては特定技能生も協議会に加入しなければいけない場合があります。

5.登録支援機関について
受入れ機関は、特定技能外国人の支援を実施しなければなりませんが、当該支援業務については、登録支援機関に支援計画の全部または一部を委託することができます。
受入れ機関は支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合には、外国人を支援する体制があるものとされます。
① 登録支援機関は、受入れ企業との支援委託契約により、支援計画に基づく支援の全部の実施を行う個人または団体です。
② 登録支援機関になるためには出入国管理庁長官の登録を受ける必要があります。
③ 登録を受けた機関は、登録支援機関登録簿に登録され、出入国在留管理庁ホームページに掲載されます。
④ 登録の期間は5年。更新が必要です。
⑤ 登録支援機関は、出入国在留管理庁長官に対し、定期または随時の各種届出を行う必要があります。※違反の場合、指導や登録の取り消しの対象

6.1号特定技能外国人に対する支援について
受入れ機関は、1号特定技能外国人に対して「特定技能1号」の活動を安定的かつ円滑に行うことが出来るようにするための、職業生活上、日常生活上、または社会生活上の支援の実施に関する計画を作成し、当該計画に基づき支援を行う必要があります。
1. 支援計画の作成
受入れ機関は、在留諸申請にあたり、支援計画を作成し当該申請の際にそのほか申請書類と併せて提出します。
2. 支援の概要
職業生活上、日常生活上の支援として必要であるとして省令で定められた10項目の実施
内容・方法など。

7.特定技能外国人に関する基準
① 18歳以上であること
② 健康状態が良好であること
③ 退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
④ 保証金の徴収等をされていないこと
⑤ 外国の機関に費用を支払っている場合は、金額や内訳を十分に理解して機関との間で合意していること
⑥ 送出し国で遵守すべき手続きが定められている場合は、その手続きを経ていること
⑦ 食費、居住費等外国人が定期に負担する費用について、その対価として供与される利益の内容を十分に理解した上で合意しており、かつ、その費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その 他の書面が提示されること
⑧ 分野に特有の基準に適合すること (※分野所管省庁の定める告示で規定)
特定技能1号のみの基準
① 必要な技能及び日本語能力を有していることが、試験そのほかの評価方法により証明されていること
ただし、技能実習を良好に修了している者であり、かつ技能実習において修得した技能が従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合は、これに該当する必要が無い。
② 特定技能1号での在留期間が通算して5年に達していないこと
特定技能2号のみの基準
① 必要な技能を有していることが、試験そのほかの評価方法により証明されていること
② 技能実習生の場合は、技能の本国への移転に努めるものと認められること
8.その他特定技能に関する注意点など
① 技能実習中の特定技能への移行:
技能実習生は,技能実習計画に基づいて技能等に習熟するための活動を行うものであり,技能実習計画を終了していない実習中の外国人の場合は,技能実習という在留資格の性格上,特定技能への在留資格の変更は認められません。技能実習2号を修了してから可能となります。
② 技能実習2号を良好に修了:
技能実習2年10か月以上の修了、かつ、技能検定3級若しくは相当する技能実習評価試験の実技試験への合格、又は「評価調書」に基づき、技能実習2号を良好に修了したと認められること、のいずれかの要件を満たす必要があります。
③ 技能実習2年10ヵ月未満での修了者の扱い:
技能実習を2年10か月以上修了することが必須要件になっています。そのため、日本語試験及び特定技能1号号評価試験免除には該当せず、特定技能外国人として受入れるには、日本語試験、特定技能1号評価試験のどちらも合格が必要です。
④ 受入れられる人数上限:
受入れ機関ごとの受入れ数の上限はありません。(介護・建設を除く)
「介護分野」は,事業所単位で,日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること。
「建設分野」は,特定技能1号の在留資格で受入れる外国人の数と特定活動の在留資格で受入れる外国人(外国人建設就労者)の数の合計が,受入れ機関の常勤職員(外国人技能実習生,外国人建設就労者,1号特定技能外国人を除く。)の総数を超えないこと」とされています。
⑤ 特定技能外国人が従事する業務の考え方:
1. 在留資格を得た職種(業務区分)以外の作業は認められておりません。
2. 特定技能外国人が従事する作業範囲について当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えありません。
⑥ 日本標準産業分類上の産業分類と特定産業分野の関係性:
主たる事業は、日本標準産業分類をもとにすると製造3分野に該当しない場合でも、業務の一部で、製造3分野のうち受入れ可能な産業分類に該当した製造品の出荷額が発生している場合は、特定産業分野に該当します
⑦ 「製造品出荷額等が発生している」こと:
受入れを希望する事業所で直近1年間に「製造品出荷額等」が発生していることを証明する書類は、直近1年間の納品書と製造品写真やパンフレット、回答済み「工業統計調査票」の写しなど。
⑧ 受入れ協議・連絡会入会の単位:
同一法人でも、複数事業所で受入れる場合は、受入れる事業所(施設)ごとに受入れ協議・連絡会への入会が必要です。
⑨ 住居:
外国人が締結する賃貸借契約に基づく債務の保証人に、民間の賃貸保証会社を利用する場合、賃貸保証会社に支払われる手数料については受入れ機関において負担していただくことになります。※それ以外の経費、敷金・礼金・手数料・更新料についての記載なし。
⑩ 転職:
業務区分内の分野への転職は可能です。複数の業務区分の技能を有する外国人は、それぞれの業務区分で在留資格変更許可を得られれば、複数の業務区分で従事可能です。
※特定技能では1つの会社としか雇用契約が結べません。退職して在留資格変更申請の許可が下りるまでの審査期間は働けないので注意が必要です。
⑪ 往復の航空運賃:
訪日のための航空運賃については、受入れ機関において負担して頂きます。特定技能雇用契約の終了後、帰国に要する費用は基本的に外国人本人が航空運賃を負担することとなります。
(本人が費用を負担することができない場合を除く)
⑫ 技能実習2号で修了した職種と異なる職種の特定技能に移行:
特定技能で従事しようとする職種の技能試験に合格することで可能になります。
この場合、日本語能力試験の合格は要件ではありません。
9.分野別資料 製造分野における受入れ可能な事業所の日本標準産業分類


10.分野別資料 ②建設分野

11. 分野別資料 ③介護分野

特定技能外国人の訪問系サービスへの従事について
令和7年4月21日付け告示等改正により、介護職員初任者研修修了過程等を修了し、介護事業所等での実務経験等(介護事業所等での実務経験が1年以上あることが原則)を有する特定技能外国人について、受入事業所が遵守事項等を遵守することを条件として、訪問系サービスへ従事できることとなりました。

12.分野別資料 ④飲食料品製造分野
・従事する業務:
飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く。)の製造・加工、安全衛生)。
当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務
(原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事務所の管理の作業等)に付随的に従事する業務
・事業所:日本標準産業分類に掲げる産業のうち、主として以下のいずれかに掲げるものを行っていること

●酒類製造業、飲食料品小売業(細分類5861,5863,5896を除く)、飲食料品卸売業、塩製
造業、医療品製造業、香料製造業、ペットフードの製造は対象となりません。
●総合スーパーマーケット及び食料品スーパーマーケットの就労については、青果物加工、鮮魚加工、
食肉加工、ベーカリー製造、そう菜製造等の食料品製造部門のバックヤードが対象です。